2013年8月20日火曜日

[Day 112] Trouble


ツタが絡まった建物と紹介してきた三角ビル。
悲しいことに現在行われている二期工事で覆っていたツタ全てが枯れてしまった。




理由は簡単。解体工事の際に、ツタを根元から業者が切ってしまったからだ。地面から養分がいかなくなったツタは、一足早く冬を迎えたように簡単に枯れた。隣の敷地のツタが青々と繁る中、悲しいギャップが生まれ痛々しかった。


自分にも落ち度がある。解体の時にツタの幹がそこにあることは知っていた。ただ、自分の中で、母校から譲り受けたツタをこれから植えることが決まっている。現在覆っているツタと二種類混同して覆わせて良いのかと悩んでしまい、職人に念を押す確認を怠った。







建築家や業者は最初からこのツタを切りたがっていたのは分かっていた。もう一度、配管を壁など通す時に邪魔になるし、何よりツタは直接外壁に生やすとコンクリートの中に根を伸ばしてしまい、コンクリート壁を傷つける。もしツタで覆うならネットフェンスかピアノ線を格子状に張ってその上を這わせるのが一番良いやり方と教えてくれた。


実際、この後の工程のためにどうしてもツタを切らなければならないなら、しょうがないと思った。ただ、「何故切ってしまったのですか?」と現場監督に聞いたら、切ったことすら気づいてなかった。確認をしたら、壁を壊した時にツタの本線も切ってしまったのこと。


あの時に念を押しておけば良かったと激しく後悔してしまった。「ここにツタの本線がありますよ」っと、「このツタを生かした建物にしたいので切らないでくださいね」っと。枯れたツタが絡まった三角ビルはまたもや廃墟に見えてきた。


週末、窓から手が届く限りツタを切って剝がす作業をした。切った直後のまだ葉が青々としている時に剝がす作業が出来ればまだ良かったが、今や幹を引っ張る度に葉がボロボロと落ちる。落ちた葉は風に乗り遠くまで散乱していく。これは大変なことになってしまった。






結局、現場で素人の自分が口を出すのはどうかと躊躇したのが原因の一つ。そして、プロと素人で敷居があると思い込み、本音を語り合う過程を飛ばしたツケでもある。現場監督には枯れたツタを最善を尽くしてなるべく除去をしてくださいと伝えた。向こうもミスと思ってくれて、いくつかの案を考えると言ってくれた。あるんだったら見せて欲しいです。職人魂。



建物はこのツタの件を持って本当に0からのスタートに。有る物を"生かし"て再生させるリノベーションではなくなってしまった。ツタは結局、母校から分けて貰ったツタを自前で生やすしかない。切られた幹は500mlのペットボトルぐらいの太さになっていた。一体そこまで育つのに何年かかるのだろうか。







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